アリゲーション計算機は、異なる濃度の2つの溶液を混合して、目的の濃度を持つ溶液を作るために必要な各溶液の量を算出するツールです。薬学、化学実験、調剤、および製剤開発の現場で広く用いられる「アリゲーション法(alligation alternate)」を自動化し、計算ミスを防ぎます。
本ツールは、高濃度溶液と低濃度溶液の濃度、および目標濃度を入力するだけで、比率と実際の調製量を瞬時に表示します。学生の実習から研究員のバッファー調製、薬剤師の調剤まで、幅広いユーザーに役立ちます。濃度単位は%(w/v、v/v、w/wのいずれも可)およびモル濃度(M)に対応し、柔軟な計算が可能です。
🧮 アリゲーション計算
計算式の解説
アリゲーション法(alligation alternate)は、2つの既知濃度の溶液から中間濃度の溶液を作る混合比を求める古典的な手法です。高濃度を H、低濃度を L、目標濃度を T とすると、必要な高濃度側の部数は (T − L)、低濃度側の部数は (H − T) となります。この比がそのまま混合比率になります。たとえば H=90%、L=20%、T=50% の場合、高側部数=30、低側部数=40 で、混合比は 3:4 です。これは質量保存と濃度の線形補間に基づいており、理想混合を前提とします。
作業例
90% エタノールと 20% エタノールを混合して 50% エタノール 700 mL を調製する場合を考えます。
低側部数 = 90 − 50 = 40
合計部数 = 70
高濃度量 = 700 × 30 / 70 = 300 mL
低濃度量 = 700 × 40 / 70 = 400 mL
よって 90% を 300 mL、20% を 400 mL 混合します。
実務上のヒント
実験室では体積の加算性が成り立たない場合(例:濃硫酸の希釈)があるため、計算量を目安にして最終的に定容操作を行うのが安全です。また、目標濃度が端点と一致しないよう、入力時に範囲外エラーが出る仕組みを本ツールは備えています。
精度に影響する要因
アリゲーション計算は理想混合を仮定するため、以下の条件で誤差が生じます。1)体積収縮を伴う混合(アルコールと水など)、2)温度による密度変化、3)濃度表示の基準違い(w/v と w/w の混同)。特に w/w(質量百分率)と w/v(質量/体積百分率)は密度未指定では変換できません。精密製剤では比重を考慮した質量ベース計算に切り替えてください。
よくある質問
Q: 3種以上の溶液を混ぜる場合は?
A: 本ツールは2成分専用です。3成分以上は段階的混合や連立方程式が必要で、タンパク質濃度計算機 のような専用ツールと併用してください。
Q: モル濃度と%は混在して計算できますか?
A: できません。同一単位で入力してください。換算には分子量が必要です。
参考データ
| 高濃度(%) | 低濃度(%) | 目標(%) | 比率(高:低) |
|---|---|---|---|
| 95 | 0 | 70 | 70:25 |
| 90 | 20 | 50 | 30:40 |
| 100 | 10 | 40 | 30:60 |
アリゲーションの基礎は公開化学教程や薬学実習書で広く扱われています。さらに詳しい理論は Wikipedia の "Alligation" 項目も参考になります。